souyのブログ、“ケセラセラ!”

スペイン、バルセロナからのびっくり面白情報

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“恥じらい”のない人々 ?

(第7回)  続々・美意識(センス)のない世界!?


バルセローナに来て数年後、ようやく、あのアンダルシアを訪れることができました。
日本人にとってスペインといえば、この情熱と太陽の大地の魅力は欠かせませんよね。


我々はマラガを基地に車を飛ばして、コルドバ、セビリヤ、グラナダ、ロンダ、ジブラ
ルタル、あるいはまた名も知らぬ小さな村々をフラリと訪れてみたりしました。中でも
一番印象深かったのは、やっぱりグラナダのアルハンブラ宮殿(スペイン語ではアラン
ブラ)でした。
       

                                             

もちろん宮殿も素晴らしいのですが、その下にひろがるイスラム時代のアルバイシンの
街並みとの調和は、まるで幽玄の世界にまぎれれ込んだようなタイムトリップでした。
でもこんな下手な写真じゃ、みなさんに何一つ伝わらないことでしょう。ぜひとも一度
ご自分の目でご覧になってみてくださ~い!!


もう一枚だけ写真をお届けしましょう。 

          

これは真っ白い家が建ち並ぶフリヒリアーナという街のレストランの壁にかけてあったもので、ここに書かれているスペイン語は、おそらくは「もしワインが仕事の支障になるなら、そんな仕事は辞めなさい!」という意味だと思います。 
    いや~、いかにもスペイン。生き方がまったく違いますね~!!



                  ▽    




ところで前回のメルマガの後、〈shunbo〉さんから、こんなお便りが届きました。


「楽しく拝見しました。投書のM子さんの述べておられることに、一々納得しました。
外出するにも水着になるにも、人の目を気にしなくちゃならないとなると、億劫になり
ますよね。それは全然楽しくない。スペインのそういうあっけらかんとした感性はいい
と思います」


〈shunbo〉さん、ありがとうございます。M子さんのご意見にはその他にも多くの反響
がありました。本当にここでは全くと言っていいほど人のことは気にしないようです。
それがとくに日本人にとっては、この街で気のやすまる理由なのかもしれません。                    


                                                      
                ▽    ▽



それはともかく、M子さんのご意見を要約すれば、「三段腹のビキニも、妙ちくりんな
彫刻も、女性のファッションも・・・。それは決して“美的センス”の問題ではなく、
日本とスペインの“恥の基準”の違いにあるはずだ!」ということになるでしょう。


まさにこれは、とても重要な見方だと思います。そしてその“恥”の感覚が、私たちが
異常なまでに他人の目を気にし、なんとかその基準から外れないように気を配るだけで
なく、今度は逆に、他人の服装や行動をひそかに監視するという不思議な文化(?)を
生み出しているという指摘は、きわめて鋭いものです。


そういえば日本のテレビ・ホームドラマには必ずと言っていいほど、同じシーンが登場
します。人目のない所で二人が秘密の話をしているのを、誰かが、柱の陰からこっそり
覗いている・・・。 ビックリする程多いですよね! きっと制作者はほとんど無意識
に挿入してるんじゃないでしょうか。 まったく、何故ボクらはこれほどまで他人の目
を気にするようになっちゃったんでしょう?


      


さてこのことを、別の観点から考えてみましょう。 ちょっと乱暴かもしれませんが、
もしかしたら“恥”を感じる感受性というのも、“美的センス”の一つなのではないで
しょうか。いえ、決して同じものだとは言いません。ただ、我々の美意識の構成要素の
中に、いわば恥の感覚も含まれていないだろうか、と思うのです。



この間テレビで世界各国の花嫁姿が紹介されていました。すると大抵、花嫁の顔を薄い
レースで覆っているではありませんか。もしかすると、それが花嫁の顔を一段と(!)
美しく見せることを知っているのではないでしょうか。


ヨーロッパでもフランスの女性などは、時々恥じらいの仕草を見せることがあります。
それはフランス芸術が日本文化に強く影響されたからなのか、前からそういう感性が
あったから日本を受け入れたのかはわかりませんが、少なくともスペインの女性には
ほとんど見られません。



バルセローナはいま空前の日本ブームです。友人の日本人が経営する和服・小物店にも
沢山のスペイン人がやってきます。でも彼らの選ぶ色や柄の組み合わせは、それはもう
ビックリというか新鮮というか、原色に近いド派手なものばかり。この色が好きとなっ
たら、トコトンそれを前面に押し出しちゃいます。でも、これがもしフランス人だと、
好きな色や柄をどこかに何気なく組み合わせてみようと工夫するのだそうです。


和服のデザインだけじゃありません。バッグにしても靴にしてもベッドやクッション、
カーテン、部屋の壁の色だって、ここスペインではそれこそ“ドッキャ~ン!”と
ハデハデに飾ってありますし、お店のショーウィンドーだって、「目立てばいいさ!」
と言わんばかりに、すっぽんぽんのマネキンがそのまま置かれていたりするのですから
驚きます。年々増える和食店の味も、彼らに合わせて濃いめになってるみたいですし。


              

    

                                       

ハッキリ言って、スペイン人にはきめ細やかな情緒や感受性がほとんどありません。
ここバルセローナには四季折々、さまざまな花が咲き乱れていますが、彼らはそんな
ものに見向きもしません。花の名前も「トゥリパン(チューリップ)」ぐらいしか知ら
ないし、花屋さんでさえ、「名前なんか知らないね~!」と胸を張ってましたから。

あ、そうそう、音感もありません。私の日本語教室の生徒でまともに歌の歌えるのは
ごくごく僅かですし、テレビの音楽番組でも若者たちが終始音を探しながら歌って、
とうとう最後まで外れっぱなしで終わってしまいます。聞けば、3歳から行われている
教育の中にほとんどまともな音楽授業がないそうで、いわゆる情操教育は皆無と言って
もいいでしょう。

もしかするとこれらの背景には、いわゆる「恥じらい」の感覚の欠如があるのではない
でしょうか。決してそれが悪いと言っているのではありません。いやその反対に、今は
それがここバルセローナのガウディやミロやダリやピカソを生み出したのではないか、
とも思えてきているのです。

え、どうして?? ハハハ、それについてはまた次回お話ししたいと思います。気長に
待っててくださ~い!!

 では次回の “ようこそバルセローナへ” を、お楽しみに!



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タイトルは、『熟年夫婦のスペイン行き当たりばったり移住記』。私たちのなんとも無謀な移住の顛末と信じられないハプニングの数々が、その後の出来事も含めてアレやコレや次々と登場します。ちょっと覗いてみて下さい。
 
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◎ 『勉強っていやいやするもの?』(大日本図書)
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